帯状疱疹
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルス感染症の一つです。
小児期に「水ぼうそう」を起こしたウイルスが、その後も神経節に潜伏することで起こります。帯状疱疹は、およそ9割が、このような「潜伏したウイルス」が活性化することで発症します。 |
加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が弱まることで発症します。高齢者は季節の変わり目、特に夏バテなどで体力が低下している秋口は免疫力も低下しているため、特に注意が必要です。
特に50歳以上の方になると、老化に伴う発症にも注意が必要です。
ところが、2014年以降、小児期にこの水痘帯状疱疹のワクチンを定期接種するようになったため、20代〜40代の親世代にも帯状疱疹の発症率が増加しています。
小児の感染が減り、これまで子供との接触によって自然に免疫を付けていた(ブースター効果)親世代の免疫の獲得がが減少したためです。
※帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ(1997-2017)」2018年8月17日
帯状疱疹の症状は?
体の左右どちらかに神経の走行に沿って痛みを伴う発疹や水ぶくれが多数集まって帯状に発現します。通常は皮膚症状に先立って皮膚のピリピリした痛みが出てきます。多くは皮膚症状が消えると痛みも消失しますが、神経の損傷によって痛みが残ることがあり、それは帯状疱疹後神経痛という頻度の高い悩ましい合併症の一つです。罹患者の 2割の方は3ヶ月以上も神経痛に悩みます。
他にも、顔面神経麻痺、角膜炎・結膜炎からの失明、難聴や髄膜炎などの重篤な合併症がありますので、放置せずに早めの受診が必要です。特に発症から3日以内に治療開始することで合併症のリスクが減少するようです。
発症したと思ったら気をつけること
・体の片側にピリピリを感じたら、日々発疹や水疱が出ないかをチェックする。
・発疹や水疱が出てきたら、3日以内に内科や皮膚科を受診する。
・顔面に出てきた場合には、眼科や耳鼻科にも相談する。
予防するには?
新型コロナウイルスが流行している昨今では50歳以上の成人の帯状疱疹発症率が上昇しています。
そこで重要なのが、免疫力のアップです。
ご自身でできることにして最も効果的なものは、生活習慣の改善でしょう。不規則な生活習慣を避ける、ウォーキングや筋トレなど定期的な運動を行う、質の良い睡眠を取る、ストレスを溜め込まない、など。
医療的な予防策としては、ワクチン接種が効果的です。
当院では、50歳を過ぎた方には、予防効果の高い不活化ワクチンの接種をお勧めしています。まだ帯状疱疹になったことがなく、最近体力が落ちてきた、などと感じになられている方は、是非とも一度、当院にご相談ください。